月に祈る

しっぽが傍らにいた頃、介護やら看護でまともな睡眠時間など取れないのが
当たり前でした。


汚れ物の洗濯が終わるのは大抵、日付が変わってから。



ですが、それが執事家の日常で、毎夜、ベランダに洗濯物を干しながら
頭上の月を見上げては、その時その時の願いを、月に向かって
祈っていました。


神様も仏様も、そんなもんいねーっと傲慢にも思っている執事ですが、
森羅万象、自然の摂理はまぎれもなく存在するのは事実であるとは思う故、
月に想いを託すかのように、何かしらを毎夜祈るのがあの頃の執事の習慣でした。


月を見上げること、しばらくしていませんでしたが、
満月に向かい、膨らんでゆく今夜の月に祈ります。



穏やかに、穏やかに、その生、最後までと。



彼が望む、そのままで最後までと。


彼が手にした限りない幸せを想いながら。



執事が最初に出会ったセターと同じ色のコートを持つ彼の時間が
穏やかであることを祈ります。


穏やかに、穏やかに。
ただそれだけを。

この記事へのコメント

  • 美槻

    はじめましてこんばんは。
    美槻と申します。老犬介護というワードを鍵にネットでこちらのブログにたどり着きました。現在ブログを更新されてないようなのでこのコメントが届くかどうか分かりませんが書かせてもらいます。私は
    今16歳の痴呆が始まったこの介護をしています。その中で感じていたことが、こちらの2007年11月27日の記事とシンクロして泣けました。私と同じ思いの方が居るんだと思うだけで救われました。どうしてもどうしょうもなく、自分が辛く感じ犬を愛していると思うけどそれが私達には足らないから酷いことや嫌なことを考えてしまうのはとか。
    ブログのあちこちに私の気持ちを包んでくれる言葉がありました。素直にありがとうと思ったのでコメントさせてもらいました。へんなコメントですみませんm(_ _)m
    2014年03月02日 20:04
  • 執事

    美槻さま

    お返事遅くなってごめんなさい。
    たま~にですが、覗いております執事です。

    2007年11月27日の記事。自分で読み返しても、あの頃思い出すと「いやぁ~、キツかったなぁ~~~」って今でも思えます𕾻
    キツかったデス、とっても。でも、でも、幸せでした。今思うと。

    生きててくれたから、出来た苦労でしたもの。
    いなくなってしまった今、どんなに望もうとも、出来ない苦労ですもん!

    キツイと思います。綺麗事じゃー済まんですもの、老犬介護。
    しかも痴呆ありだと、もう何やってもどうにもなんないって思えることばかりだったりしますもの。

    でもね、やった人には分かる「何か」があるはずと執事は思います。
    でね、やれる人の所にそういう縁が巡ってくるんじゃないかなぁ~とも思います。
    だから、どうぞ美槻さんが出来る範囲で、相棒ちゃんにしてあげたいと思えることをなさればいいんだと思うんです、執事。
    正解がある訳じゃないし、優劣がある訳じゃない。
    1人と1匹、それぞれの形があっていいじゃないって、心底、今、執事は思ってます。

    どうかどうぞ、追い詰められずに、頑張らずに踏ん張って𕾴
    疲れるのも、キツイのも、頭に来るのも当たり前。
    長生きしてくれた相棒ちゃんを褒めて、そしてその相棒ちゃんに寄り添う自分も、褒めてあげて下さいね。

    笑える一時が美槻さんと相棒ちゃんにあることを、心から願って。
    2014年03月10日 14:40
  • 美槻

    執事さんこんにちは
    お返事ありがとうございます。執事さんの言葉の一つ一つが心にしみてまた泣いてしまいました。
    今私は金銭的にも心の余裕を持つためにも、少しの時間外で働こうと思っています。相棒のこと離れてしまう時間が出来てしまうのが心苦しく思うのと、その間にそそうがあったりをここらよく仕方なあなぁと思えない自分の心の狭さやダメさにまいっています。叱るより何よりただ泣けてくるんです。泣きながら足や体を洗ってやるんです。なんでこんなに弱いのか。弱い私で相棒にも申し訳なく思ったり。この子には出来るだけ自分が出来ることをしてあげたいとおもいます。できれば一緒にひなたぼっこする気持ちのようにこの子にはいてほしいです。だから頑張りたいのですが、ちょっとした事で泣けてしまって……
    こちらに書いてもご迷惑かと思います。すみません。消して下さってもいいです。ただ聞いてもらいたいという自己満足ですみません。執事さんの優しい言葉に甘えて書いてしまいました。
    2014年03月17日 14:07